「カビ取り掃除をして、菌は死滅したはずなのに、天井に紫や赤紫っぽいシミが残っている……」
「柄付きブラシでいくら擦っても変化がない……」
そんな絶望的な経験はありませんか?
実はその汚れ、もはやただの「カビ(菌)」ではありません。放置された菌が天井の素材(プラスチック樹脂)を「染色」してしまった跡なのです。
服についたカレーのシミが洗濯しても落ちないのと同じで、ただ洗剤を吹きかけるだけでは落ちません。
今回は、そんな厄介な「天井の紫シミ(通称:プラスチックのタトゥー)」の正体と、それを薄くするためのアプローチを紹介します。
なぜ「紫色」なのか?その正体はカビ界の「染色魔」

そもそも、お風呂の汚れといえば「黒カビ」か「ピンクのぬめり(赤カビ)」が定番です。なぜ「紫」なのでしょうか?
実はこの紫色のシミは、単一の菌ではなく、カビ汚れが悪化した「成れの果て」である可能性が高いです。
1. ピンク汚れ(ロドトルラ)とは別物
よく浴室で見かけるピンク色のヌメリは、主に「ロドトルラ」という酵母菌です。これは根を張らないため、スポンジで軽く擦れば簡単に落ちます。
しかし、今回の「紫色のシミ」はこれとは別物です。
2. 正体は「黒カビ等が残した色素」
一般的な黒カビ(クラドスポリウム等)に対し、塩素系漂白剤を使うと、菌自体は死滅します。
しかし、菌が長期間溜め込んでいた「メラニン色素」や、菌が排出した成分が分解されずに残り、それが紫色や茶色のシミとして素材に焼き付いてしまうことがあります。
3. 「汚れ」ではなく「タトゥー」状態
これが最も厄介な点です。通常の汚れは表面に乗っているだけですが、この色素は分子レベルで小さいため、天井の樹脂(プラスチック)の目に見えない極小の穴に入り込み、素材そのものを染めてしまっています。
カビキラーは「菌を殺す」ことには長けていますが、「染まってしまった色を抜く」効果は限定的です。そのため、表面をただ撫でるだけでなく、以下の「物理的に削る」や「乾燥させずに浸透させる」アプローチが必要になります。
【最重要】作業前の警告

天井の掃除は、失明のリスクがあります。
洗剤メーカー各社も警告している通り、目線より高い位置へスプレーしたり、顔を近づけて作業することは厳禁です。液剤が垂れて目に入ると失明する恐れがあります。
- 必須:保護メガネ(ゴーグル)
- 必須: マスク、ゴム手袋
- 必須: 長袖長ズボン(皮膚を守るため)
- 原則: 脚立などには乗らず、柄の長い道具を使用して床から作業してください。
裏ワザ①:メラミンスポンジで「物理的に」削ぎ落とす
漂白剤(化学反応)が効かない場合、最も手っ取り早いのは物理攻撃です。表面に沈着した色素を、薄皮一枚削るイメージで落とします。
【手順】
- 「激落ちくん」などのメラミンスポンジを水で濡らし、固く絞る。
- フローリングワイパー(クイックルワイパー等)のヘッドに、メラミンスポンジを挟み込む。
- ※厚みがあって挟めない場合は、メラミンスポンジを薄くスライスしてください。
- 紫色のシミ部分を、床からワイパーを伸ばして優しく小刻みに擦る。
注意点:
強く擦りすぎると、天井材のコーティングが剥がれたり、ツヤが消えてしまう恐れがあります。必ず目立たない隅の方で試してから実践してください。
裏ワザ②:柄付きスポンジでの「重ね塗り」作戦

天井掃除の最大の敵は「重力」と「乾燥」です。
塩素系漂白剤は乾いてしまうと分解効果を失います。しかし、天井にラップをするのは危険で難しいため、「乾かないように塗り直す」という持久戦で挑みます。
【手順】
- 柄付きスポンジを用意する。(メーカー推奨の安全な方法です)
- スポンジ部分にカビ取り剤の泡を吹き付ける。(※絶対に天井に向けてスプレーしないこと)
- シミの部分に塗り広げる。
- 【重要】ここからが勝負です。
通常なら放置しますが、薄塗りの薬剤は数分で乾いてしまいます。3〜5分おきに、乾きそうになったら上から薬剤を塗り足してください。これを15分〜30分ほど繰り返します。
常に「濡れている状態」をキープすることで、パックに近い浸透効果を狙います。 - 最後に、水を含ませたスポンジで洗剤成分がなくなるまで丁寧に水拭きをし、乾拭きで仕上げます。
- ※重要: 天井に向けてシャワーをかけると、自分に薬剤が降りかかって大変危険です。必ず「拭き取り」で行ってください。
裏ワザ③:ゴムパッキン用「ジェル」のピンポイント使用
※警告:メーカー推奨外の使用法です
ゴムパッキン用のジェル洗剤は、本来「天井」への使用を想定して作られていません。天井材(樹脂や塗装された鋼板など)によっては変色・劣化の原因となる場合があります。実施する場合は自己責任のもと、必ず目立たない場所でテストを行ってください。
「泡だとどうしても垂れてくる」という場合の最終手段です。ジェルは粘度が高く垂れにくいため、ピンポイントで薬剤を留まらせることができます。
【手順】
- 柄付きスポンジの先端やブラシにジェルを適量取る。
- 床から柄を伸ばし、シミの部分にだけチョンチョンと乗せるように塗る。
- 放置後、水拭きで念入りに、完全に成分がなくなるまで拭き取る。
それでも落ちない場合の「最終判断」
上記の3つを試しても紫色のシミが消えない場合、色素が素材の深部まで完全に浸透しています。
これ以上深追いして強い薬剤を使ったり、削ったりすると、天井の素材自体がボロボロになり、余計にカビが生えやすくなる原因になります。
「菌自体は死滅している」と割り切りましょう。
実は、この手の色素汚れは、浴室乾燥機の熱や照明、自然光などの影響で、数ヶ月かけて徐々に色が抜けていくことも多いです。
今は無理に落とそうとせず、「防カビくん煙剤」などで現状維持を徹底し、気長に待つのが賢い選択です。
まとめ:一度綺麗にしたら、もう汚さない!

紫色のシミは、「カビを長期間放置したこと」へのペナルティのようなものです。一度シミを落としたら(あるいは薄くしたら)、二度と復活させないように予防掃除を行いましょう。
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